金曜日, 10月 06, 2006

第6日目「神の視点からこの世を見る」

慣れない地に引っ越したり、はじめてのグループに参加する時など、私たちは何とも言えない「居心地の悪さ」を感じたり「違和感」を覚えたりします。異文化体験とは、遠い外国にあるのではなく、身近なところにもあります。例えば「結婚」もそうです。それまで全然違う所で育ってきた二人が出会い、一緒に住む時、最初は何とも言えない「違和感」や「居心地の悪さ」を感じることもあるのです。でもそんなカルチャーショックを通しても、互いに向き合い、今度は、新しい家庭での価値観が築かれていくのです。

はじめて教会に足を踏み入れた時、どんなことを感じましたか?ある人は、「そこにいる人たちの常識が分からなくて、初めはどう振る舞ったらいいのか分からなかった」と言っていました。「どういう言葉を使ったらいいのか」「どういう表現をしたらいいのか」自分は彼らから見て、おかしな行動をしていないだろうか…、不安に思ったと言うのです。でも教会に通い続け、聖書の話しを聞き、クリスチャンたちとの交わるうちに、段々と「教会に通う人々の常識」が分かって来ます。

べつに信じているわけではなくても、「あぁクリスチャンてこう考えるんだね」「きっとクリスチャンだったらこう思うよね」と、彼らの思考回路が分かってくるのです。そのすべてが、絶対的に正しい、というわけでもないかもしれません。残念ながら「聖書の教え」と「教会の常識」が、完全に一致しているわけではないからです。だから最終的には、自分でも聖書をよく読み、イエス・キリストのことばじっくり味わいながら、「福音」を発見していくことが大切なのです。

そうした中で信仰へと導かれる人もあります。最初は、反発を感じることもあったとしても、理解がすすむ中で、感じていた違和感が、じつは自分の誤解であったり、偏見であったことに気づいたりします。そして、様々なきっかけもあって、意外とすんなり「信じてみよう」という気持ちになるのです。つまり、イエスキリストが、私たちの罪のために十字架にかかり、3日目によみがえってくださったことを受け入れる決心をするのです。こうして私たちは洗礼をうけます。

これが最初に言った「結婚式」にも似ているのかもしれません。結婚式が新たなスタートであるように、洗礼式も「新たな冒険の始まり」です。いよいよ聖書に親しみ、クリスチャンとの交わりも濃くなり、時には教会(キリストのからだ)でぶつかることがあっても、互いに赦し合い、仕え合い、ともに成長して行くのです。そして以前より、神様の心「みこころ」がより分かるようになります。つまり、なにが神様に喜ばれ、悲しまれることかが、前にも増して分かってくるのです。

ここで新たな葛藤が生まれます。今度は、自分が、この世に対して「居心地の悪さ」や「違和感」を感じてしまうのです。今まで当たり前だと思っていたことが当たり前ではなくなり、平気だと思っていたことに罪悪感を覚えたり、全然興味のなかったことが大事になり、生活のリズムも変わって来ます。そういった中で、自分は良くても、周りの人々が「クリスチャンになった自分」を異質に扱ったり、時にはからかったりしはじめます。

仕方がありません。私たちは「新しく生まれ変わった」のですから。もはや、この世の者であって、この世の者でないのです(ヨハネ15:19)。この地上に生きながら、国籍は天に移されています。異文化(違和感)を感じて当然、もし、何も感じていないのなら、むしろその人は本当に生まれ変わっているのでしょうか?言ってみれば、感じるべき「違和感」なのです。大切なのは、違和感を抱えながらも、この世から遠ざかるのではなく、人々を愛し、神様の愛を伝えるために、その中に飛び込んで行くことです。ちょうどイエス様が、天の栄光を捨てて人となり、私たちの間に住んでくださったように。

どうでしょうか?感じるべき違和感を抱きつつも、人々を心から愛しているでしょうか?



 「もしあなたがたがこの世のものであったなら、世は自分のものを愛したでしょう。しかしあなたがたは世のものではなく、かえってわたしが世からあなたがたを選び出したのです。それで世はあなたがたを憎むのです。」(ヨハネ15:19) 

「彼らの思いは地上のことだけです。けれども、私たちの国籍は天にあります。そこから主イエス・キリストが救い主としておいでになるのを、私たちは待ち望んでいます。」(ピリピ3:19-20) 

「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。」(ヨハネ3:16) 

「貞操のない人たち。世を愛することは神に敵することであることがわからないのですか。世の友となりたいと思ったら、その人は自分を神の敵としているのです。」(ヤコブ4:4)